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孤独のチカラ

  • 著者:林 真司
  • 投稿日:2019年4月23日
  • 更新日:2020年2月5日

 

 みなさんこんにちは。紀のファームの林です。4月も早いもので、残すところあと一週間。1日1日を大切に過ごしていきたいものです。

 

 さて、今日ご紹介したい書籍はこちら。『孤独のチカラ』(斎藤孝著)です。著者とは大学時代に著者のゼミナールに所属していたことから関わりがあり、それがきっかけでこの本と出会いました。

 

 大学時代にこの本を読んだのですが、良くも悪くも大学時代の私を変える内容だったように記憶しています。やはり10代や、大学生の頃は、一人になるのが怖いものだと思いますが、この本はそれを覆す内容が書かれています。便所飯なる言葉が流行したこともありましたが、あれはまさしく孤独を恐れるところからくる行為であり、どれだけ多くの人が他人の目を気にして、孤独になることができていないかを表していると言うこともできると思います。

 

 この本は基本的に、孤独であることがマイナスではなく、人生にとって必須であることを説き、それと同時に、孤独を味わっている人への応援メッセージのようなものが含まれているように感じることがあります。例えば引用しますと、

 

 「物事がうまくいかなくなり、ずるずると落ち込んでいくときの孤独ははかりしれない。不本意な仕事をする時期は孤独に違いないし、まして恋人も友達もすべてがなすすべもなく去ってしまうような寂しさは、受け身なだけに堪えるだろう。しかし、そうした孤独をくぐり抜け、自己をグググッと深めた人の自信は揺るぎないものとなる。受動的に孤独になった時期を越え、積極的に孤独を選んだ人、言ってみれば、安楽なポジションを振り捨ててもやりたいことがあるというう人がもつ深さと輝きがそこにはある。」

 

 この部分を読むと、孤独であることは、人として成長するために必要であると感じますし、今現在孤独な人も、この部分を読めば勇気付けられるような気もします。

 

 また、別の箇所では

 

 「おもしろいもので、障害もなく、人生の全部がするするとうまくいってしまった人ほど現状に満足しやすい。その一方では、一見陰鬱さなど微塵も感じさせない元気なタイプの人が奥底に暗い部分や思い出を隠し持っていて、それを踏ん張りどころにしている場合がある。あれほど暗い時期を過ごしたのだから、もうあの時期には戻りたくない。あるいは、あの時期がいまにつながっているのだから大切にしようなど、絶対にここだけは譲れないという最後の砦と言うべき情熱を秘めていたりするものなのだ。」

 

 この部分からは、人生うまくいかなくてもいい、それは将来必ず役に立つし、うまくいっていない経験は自分の心の拠り所となる、というメッセージが受け取れ、暗い気持ちも励ましてくれるような、そんな気がしてきます。

 

 私がこの本を読んだのは、大学生の時でしたが、おそらくこの本と出会っでから積極的に一人になってきましたし、読書の量も一段と増えたように思います。周囲が夏休み、春休みと言って遊んでいたころに、一人で読書をしていた時期もありました。それが今後どう人生の中で生きてくるかはわかりませんが、大切な思い出としてとっておきたいと思います。

 

 孤独で苦しんでいる方や、孤独でなくても、人間関係などで最近考えることが多い方にはおすすめかもしれません。

 

 苺の収穫もあと少し。明日も収穫頑張ります!

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プロフィール
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イチゴ農家の次男として生まれる。
明治大学卒業後、地元の地銀に入行するも、会社のカルチャーが全く肌に合わず1年で退社。退社後すぐにフィリピン留学でフィリピンのアンヘレス地方、セブ島で計約半年過ごす。
その後オーストラリアでワーキングホリデーを約半年行い、他国の桁違いの農業を初めて知る。ワーキングホリデー中にセブ島の語学学校でマネージャーをする話が決まり再度渡比。
語学学校では入社後半年足らずで急に経営者が変わることになり、またもカルチャーが合わなくなり1年半で退社。
セブ島で転職活動をし、比系大手IT会社に入社。当時付き合っていたフィリピン人の彼女(現妻)の妊娠出産がきっかけで1年で退社し、いつかは必ずやろうと思っていた農業をすることを決意し帰国。