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保証所得という考え方

  • 著者:林 真司
  • 投稿日:2019年6月11日
  • 更新日:2020年2月5日

 

 みなさんこんにちは。紀のファーム代表の林です。

 

 和歌山では梅雨入りこそしていませんが、連日のように雨が降っており、梅雨入りも目前に迫っている感じがします。今は桃の作業もひと段落し、収穫まであと少しといったところです。

 

 さて本日はみなさんお馴染みのフェイスブックの共同創業者が書いた『1%の富裕層のお金でみんなが幸せになる方法』(クリス・ヒューズ著) です。これ翻訳本なので、このタイトルは翻訳者や編集者がこの本を売るために考えたものだと思うのですが、原書では『FAIR SHOT』 です。

 

 この原書タイトルでは、本の内容が読むまでわからないと思いますが、日本語版であれば、タイトルだけでもこの本のメインポイントをつかむことができます。

 

 この本は翻訳本タイトルの通り、超富裕層のお金を中流階級や貧困層の人たちに保証された所得として定期的に給付しましょうよ、ということを訴えている本です。資本主義の国では、格差がどんどん開いていく。これは何も施策を打たなければ止めることができませんし、稼ぐ力のある人が豊かになって何が悪いの?という考え方も常識として共有されている部分もあると思います。

 

 この本のタイトルにある通り、お金持ちからの税金を貧困者に配るということは一見とんでもないアイデアに思うかもしれませんが、ある程度合理的であると考えます。アメリカの場合の話ですが、トップ1%の人への増税により32兆円の財源を確保し、それを年収500万円以下の9000万人のアメリカ国内の生活困窮者へ毎月5万円給付するということです。確かに富裕層はお金が必要ではないとは言えませんが、困っていないので、他人に譲る余裕はあるのは確か。それを本当に必要としている人に譲るというのはある意味合理的といえます。

 

 これで世の中の幸福度が高まるのであれば、一見大胆な施策に見えてもやった方が良いと言えると思います。この話はお金だけでなく、全ての事柄にあてはまることだと思うので、このような考えは馬鹿らしいと思わずに、実際に身近な存在として認識しておいたほうが良いと思います。例えば私の領域で言うと、農地があります。全く必要としていない農地所有者が、本当に必要としている人にその農地を売買等で譲るのは合理的です。

 

 お金の場合、例えば、新しい生産的な活動をしたいけど、生活が不安定だから怖くてできない人が毎月決まった金額があればリスクととってそれをするかもしれない。その経済活動がうまくいけば政府の税収は増え、サービス受益者が増え、提供者も豊かになれます。こういった流れを作ることができます。そういった点では農地もお金も同じだと思います。

 

 ベーシックインカム制度は昨今議論されており、実際にすでに導入されている国、地域もあるほど、実はそんなに的外れな施策ではなないと思っています。なんでもそうですが、基本的に政治や経済活動の目的は人が幸せになることなので、的外れであったとしても、その目的が達成できていればいいわけです。なので個人的にはベーシックインカムは賛成です。

 

 ルールの中でみんながやりたいことをして生活し、世の中がより活発になっていく社会はどう考えても明るいはず。そんな世の中に少しでも近づくことを願っています。

 

 今日の独り言でした。

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プロフィール
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イチゴ農家の次男として生まれる。
明治大学卒業後、地元の地銀に入行するも、会社のカルチャーが全く肌に合わず1年で退社。退社後すぐにフィリピン留学でフィリピンのアンヘレス地方、セブ島で計約半年過ごす。
その後オーストラリアでワーキングホリデーを約半年行い、他国の桁違いの農業を初めて知る。ワーキングホリデー中にセブ島の語学学校でマネージャーをする話が決まり再度渡比。
語学学校では入社後半年足らずで急に経営者が変わることになり、またもカルチャーが合わなくなり1年半で退社。
セブ島で転職活動をし、比系大手IT会社に入社。当時付き合っていたフィリピン人の彼女(現妻)の妊娠出産がきっかけで1年で退社し、いつかは必ずやろうと思っていた農業をすることを決意し帰国。