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人生の岐路

  • 著者:林 真司
  • 投稿日:2019年3月5日
  • 更新日:2020年2月5日

 こんにちは。紀のファーム代表の林です。今日は苺の収穫にブルーベリーの定植、苺の糖度チェックなど慌ただしい1日を送っていました。この時期は当然のことながら、苺の収穫があるので何をするにも十分な時間が確保できず、時間を効率的に使っていく方法を常に考えながら仕事をしています。

 

 さて、タイトルに「人生の岐路」とありますが、私自身が農業を始める前に今後をどうするか考えていた時期があります。その時はまだ、フィリピンのセブ島に住んでいたので、そのままフィリピンに居続けるか、日本に帰って農業をするか迷っていました。まだまだ海外で経験を積みたい気はするけど、いずれ農業をするのであれば、できるだけ早くスタートをきったほうがいい、などなど、色々な言葉が頭をよぎりました。

 

 どのような経緯でこの本を読むことになったのかは忘れましたが、アマゾンで注文して、日本から家族にセブ島の自宅まで送ってもらったものです。結構有名な本ですが、『バビロンの大富豪』です。

 

 フィリピンでは基本的に日本語で書かれた本は手に入らないので、手持ちの本が少なく、何回も読んだ記憶がありますが、この本も基本メッセージは、「働いて、ある一定のお金がまとまったら投資しよう」ということだと感じました。

 

 ただ、その中に当時の私の心をうつ言葉が含まれていたので、ここで紹介したいと思います。

 

 第二話の第五の知恵という見出しのところで、少し長くなりますが引用すると『私たちバビロンの住民の中には、快適とはいえない地域で家族を養っている人々があまりにも多すぎます。彼らは家主から高い家賃をきびしき取立てられていますが、その住まいといえば、奥さんが十分に花を育てられる場所もなく、子供たちが遊ぶ場所さえもないので、汚い路地に出るしかないありさまです。このように、子供たちがきれいな土の上で遊ぶ場所もなく、奥さんが花だけでなく、家族のために栄養豊かな野菜を育てられるような場所がなければ、どんな家族でも十分に生活を楽しんでいるとは申せますまい』。

 

 この部分を読んだときに、頭に電撃が走ったような気がしました。これ、自分のことじゃん、と。当時住んでいたアパートは、何というか、日当たりがとても悪く、小さな窓から見える景色は、そのアパートの駐車場のみ。子供が遊ぶスペースどころか、ベランダで植物でも育てましょうか、となるような空間も皆無。一歳になる前の娘と家内と住んでいましたが、このままここで生活していてはだめだ、と痛切に感じさせてくれたのです。

 

 この本のこの文に出会っていなかったらもしかしたら、私はまだ農業を始めていなかったかもしれません。あくまでもこれはきっかけですが、大きな気づきを与えてくれたのは間違いありません。

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プロフィール
運営者の顔写真

イチゴ農家の次男として生まれる。
明治大学卒業後、地元の地銀に入行するも、会社のカルチャーが全く肌に合わず1年で退社。退社後すぐにフィリピン留学でフィリピンのアンヘレス地方、セブ島で計約半年過ごす。
その後オーストラリアでワーキングホリデーを約半年行い、他国の桁違いの農業を初めて知る。ワーキングホリデー中にセブ島の語学学校でマネージャーをする話が決まり再度渡比。
語学学校では入社後半年足らずで急に経営者が変わることになり、またもカルチャーが合わなくなり1年半で退社。
セブ島で転職活動をし、比系大手IT会社に入社。当時付き合っていたフィリピン人の彼女(現妻)の妊娠出産がきっかけで1年で退社し、いつかは必ずやろうと思っていた農業をすることを決意し帰国。