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いちご畑の様子

  • 著者:林 真司
  • 投稿日:2019年2月2日
  • 更新日:2020年2月5日

 苺の収穫も全盛期間近ということで、少し現在の畑の様子を書きたいと思います。苺は現行の栽培方法では、2種類あります。一つが苺の苗を地面に植えず、プランターのようなものを台の上に置いて、その中に土を入れ苗を植えていく高設栽培といわれる方法。もう一つが地面に畝をつくってそこに苗を植える土耕栽培と言われる方法です。

 

 当園では、現状は土耕栽培を採用しています。

 

 今現在はどんな作業を行なっているかと言いますと、収穫の他に、下の写真のような作業を行なっています。


 これはどのような作業かと言うと、ランナーと呼ばれる苺の株元からでている管のようなものを取る作業です。苺は株から管を出し、それを土につけ根を張ることで増殖することができる植物なので、植物として見た苺にとってはとても重要な物なのですが、なんか苺にとって少し負担が大きそうじゃないですか?太い管を長く伸ばしていかないといけませんから。負担がかかるということは、我々人間にとって肝心な苺の実に回す養分が減るということですから、より大きくて美味しい苺を収穫するためには、このランナーを除去しないといけないことになります。苺からしたら辛い話ですが、これは高品質な苺を収穫するには重要です。

 

 あと、この写真も見てください。

写真①

 それから、この写真も見てください。

写真②

 同じ苺の苗なのに、なんか違いませんか?実は上の写真①は、あまり良い株ではないんです。下の写真②は株の中心から、若い葉っぱが出てきていますね。でも、上の写真①にはそれがない。これ結構苺の栽培にとっては重要で、なぜかというと、上の写真①は苺の実となる花がもう咲かないからなんです。苺は次から次へと新しい葉っぱや花芽が下の写真のように株の中心から出てきて、シーズンが終わる4月下旬や5月上旬くらいまでは苺が収穫できるのですが、上の写真①の株からはとれません。普通は苗を植える時に、このような苗は省くのですが、理由は定かではありませんが、上の写真①のように、芽が出てこない苗になってしまうことがあります。しかも品種によって、多い、少ないがあるので、この症状が多い品種は栽培しにくい品種で、もしかしたら、値段も少し高いかもしれません。

 

 もし写真①のような株を見つけてしまったらどうするのか、ということですが、ここでランナーの登場なんです。横の株から出ているランナーを写真①の株元に伸ばし、杭で固定してあげる。そうすると、そのランナーから苺の株ができ、そこから花が咲き、写真①のような株に代わって実をつけてくれるようになります。

 

 以上は、細かい内容ではありますが、苺を栽培する上では大事なポイントの一つです。これかもまだまだ苺のシーズンは続きますので、気を引き締めて日々の作業をこなしていきたいと思います。

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プロフィール
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イチゴ農家の次男として生まれる。
明治大学卒業後、地元の地銀に入行するも、会社のカルチャーが全く肌に合わず1年で退社。退社後すぐにフィリピン留学でフィリピンのアンヘレス地方、セブ島で計約半年過ごす。
その後オーストラリアでワーキングホリデーを約半年行い、他国の桁違いの農業を初めて知る。ワーキングホリデー中にセブ島の語学学校でマネージャーをする話が決まり再度渡比。
語学学校では入社後半年足らずで急に経営者が変わることになり、またもカルチャーが合わなくなり1年半で退社。
セブ島で転職活動をし、比系大手IT会社に入社。当時付き合っていたフィリピン人の彼女(現妻)の妊娠出産がきっかけで1年で退社し、いつかは必ずやろうと思っていた農業をすることを決意し帰国。